2017年5月21日日曜日

きぐファン3について


■概要


・きぐるみヘッドに装着して中の空気を外に排出するための換気ファンです。
・付属のスイッチを押下することで、シーンに応じてファン回転数を変更できます。
・ファンユニットは、「ファン本体」を専用ケースの「ブラケット」にはめ込む形状をとっています。一般的なウレタン材にすっぽり収まるように、厚さを20mmとしました。

・「2」と同様、電源はUSBモバイルバッテリです。
・万一に備えて過電圧保護、過電流保護回路を内蔵していますので、回路が暴走したりすることはない…はずです。


■主な仕様

<ファンユニット部>


外形寸法:45×45×20(タテ×ヨコ×厚み)
重量:25[g] (ケーブルの重さ含む)
採用ファン:MB40100V2-000U-A99(台湾Sunon Fans製、5800rpm)
コネクタ:03KR-6H-P (日本圧着端子、KRシリーズ)

<スイッチ部>


外形寸法:40×20×15(ヨコ×タテ×厚み)
重量:5[g]程度
コネクタ:02KR-6H-P(日本圧着端子、KRシリーズ)
ただのスイッチ。


<制御基板>


外形寸法:40×20×10(ヨコ×タテ×厚み)
重量:3[g]
使用マイコン:Microchip PIC16F1705-I/SS
過電圧保護機能:USBの電圧が6.0[V]で動作停止 (On Semiconductor NCP360SNAE)
過電流保護機能:ファン駆動系の過電流を保護します。
           ファン1個につき1系統、それぞれ0.4[A]を超えると遮断
           (Bourns MF-MSMF020-2)


■マニュアル、その他資料

ダウンロード(Dropbox)



■ケーブルを短くする方法





マニュアルに書ききれなかったので、こちらに掲載しておきます。
「きぐファン3」で採用したコネクタは、コネクタに電線を押し込むだけで接続できてしまう、とってもお手軽なものを採用しました。ケーブルを短くしたり、切れてしまった場合の修繕などでケーブルを弄る機会があるかと思いますので、これを参考にしてカスタマイズしてみてください。

<必要な道具>

ピンセット … ホットボンドを取り除くのに使います
マイナスドライバー … 幅が5mmくらいのやつ、ケーブル作成に使います。
爪楊枝 … 竹串、待ち針など先の尖った細いものならなんでもOK
ドライヤーorヒートガン … ホットボンドの取り外し、整形に使います
ホットボンド … 線の補強に使います
ニッパorハサミ … ケーブルの切断に使います。

 <やりかた>

1.ホットボンドとケーブルを外す

 ドライヤーでホットボンドをあっためます。ドロドロにしてしまうと後処理が大変になりますので、適度に柔らかくなる程度でOKです。
ホットボンドをあたためたら、ピンセットでホットボンドごとケーブルをはさみ、捻りながら引き抜きます。



※写真の向きで、右手でコネクタを持ち、左手のピンセットを手前から向こう側にグルッとひねります。

2.ホットボンドの残り、被覆を取り除く

コネクタに残ったホットボンドの残骸を取り除きます。下の写真くらいに取り除けていれば問題ありません。
 

また、このようにケーブルの被覆が取り残されていることもありますので、爪楊枝などの先の尖ったものを使って取り除きます。

 




3.電線を好みの長さに切断、先端を割く

電線をお好みの長さに切断したら、切断した端から2cmくらいを割きます。


 4.電線をコネクタのツメに引っ掛ける

線の先をコネクタの溝にあわせるように置いたら、コネクタを線ごと押さえながら、左側の外に出ている線を押し下げツメに引っ掛けます。

<線の配色>
コネクタが以下の写真のような向きのときに、
ファンケーブルは 上に、下にが来るように配置してください。中央は使用しません。
スイッチケーブルはどちらでも構いません。


※コネクタの電線が出ている側から見て、このようになっていればOKです。

5.マイナスドライバー等で押し込む

ドライバーの先端を電線に当て、電極に引っかからないように注意しながら押し込みます。





電線が両方とも押し込まれていることを確認します。

 

6.ホットボンドで補強

最後に、コネクタの根本をホットボンドで補強し、終了です。








■既知の問題と対応策(重要)


ケーブルの長さを短くできるように採用コネクタを変更したのですが、以下の問題を抱えることになってしまいました。万一、以下のような問題が生じてしまったら、先述の「ケーブルを短くする方法」を参考に対応を行ってください。

・無理に引っ張ったときに線が引っこ抜ける
「1」~「6」の手順に従って、再度ケーブルを作成しなおしてください。 
  
・ファンが回転しない、スイッチが効かない(コネクタ部の接触不良)
コネクタに押し込んだ電線が浮いてきて接触不良が起きています。
「5」の手順で浮いてきた線を押し込みなおしてください。

2017年2月15日水曜日

香港の基板屋Fusion PCBとのトラブル

基板製造を、香港のFusion PCBに依頼しているのですが、ちょっとゴタゴタがあったのでメモっておきます。

単刀直入にいうと、「Fusionに登録しているアカウントが二つに分離」するという珍妙な現象によって今回の結果となったことまではわかりました。

ポイントとして
「ユーザー登録情報(宛名、住所、メールアドレス)がペイパルに登録したものに書き換わっていた」ことと、僕が気持ち悪がって「注文前にユーザー登録情報を変更」した点が挙げられます。


 …


ことの発端はPCBを注文した2月1日。25x55mm 2層の基板2種類の製造を依頼しました。
ちょうど香港が春節なこともあって、返答が返ってきたのが2月5日。
 内容は「添付されたガーバーのzipが壊れてて開けないか注文履歴ページから再アップしてほしい」というものでした。システムからではなく、明らかに人が書いているメールでした。
変更(元のアドレスに戻)したばかりのアカウントにログインして確認するも、履歴にはそれらしいものは見当たりません。
急ぎの連絡であればシステムにはまだ反映されていないかもしれない。それなら焦る必要もありません。一晩寝てみてそれで返答がなければもう一度連絡しようと思っていると、翌日6日の朝5時ごろにFusionのオンラインシステムから「製造を開始した」とのメールが送られてきました。


うまくいっているようなら一安心。
だいたい5営業日くらいで発送されるので1週間くらい放置していたのですが、どうやら様子がおかしい。

待てど暮らせど注文履歴ページにも反映はないし、そろそろ発送されてもいい頃なのに何の連絡もありません。念のため、Fusionのサポートにメールを投げてみることにしました。

び「〇〇〇〇って注文番号のやつなんだけど、履歴ページに何も情報出てこないし、この前は”製造開始した”ってメール送られてきたんだけど、うまく進んでるの?」

と送ってみると、これに対してSeeedの対応が

F「システムの不具合でご迷惑をおかけして申し訳ありません。注文履歴ページから再アップロードしてください」

という内容でした。
何故か「履歴ページに情報がない」という事柄に関しては触れられず、5日に送られてきたメールと同じ内容の文章が続きます。注文履歴は相変わらず変化なし。で、もう一日確認しても当然のごとくやっぱり何も変わらない。
埒があかないので

び「やっぱり何も表示されないよ。メールで添付して送っていい?」 

という交渉メールを投げてみると、幾分くだけた文章(please が plz とかになってて、向こうがイライラしだしてるのが分かる)で

F「私たちはこっちで確認済みなので、このメールアドレスのアカウントにログインしてください」


と明示的な指示が来ます。

指示されているメールアドレスといつも使ってるアカウントのアドレスが異なっていたので、ここでようやくアカウントが二つに分かれていることに気づきます。指示されたメールアドレスで改めてログインすると、確かにこの件注文履歴が1つだけありました。再アップロード処理を済ませ、サポートにとりあえず謝罪とアップロードした旨のメールを送り、現在に至ります。


対応してから今日で2日ほど経ちましたが、製造が進展している様子はありません。




事の顛末はざっとこんな感じなのですが、僕は前から使っていたメールアドレスのアカウントのほうを確認していて、Fusionのほうはペイパルの情報から作られたもう一つのアカウントを確認しているのだから、一致するはずがありません。(誰だってアカウントが勝手に二つに分離してるなんて気づきゃしねえよ…)

どのようなタイミングでアカウントが分離したのかはわかりません。少なくとも昨年の10月までは従来のアカウントで注文できていたので、それ以降にオンラインシステムの更新か何かが入って仕様が変わったものと思われます。その際にペイパルのユーザー情報とFusionで持っているユーザー情報をすり合わせた結果、相違が生じてアカウントが分離した、と僕は考えています。

PCB注文前にユーザー情報を変更したことによって注文情報に不整合が生じたにしても、それは不整合が生じるようなオンラインシステムを運営している側の問題となるし、それが仕様としてどうにもならないなら、反映されるまで注文できないようにするとかの対策が講じられていなければなりません。
正直、ペイパルの情報とすり合わせる旨の連絡もなければ、システム更新の連絡もないのですから、よもやそんな風になっているとは想像もつかないでしょう。、
あと、ペイパルに登録した情報を何の断りもなく利用してしまっているのはコンプライアンス的に大丈夫なのか疑問です。


確かにFusionは趣味で使うには十分の品質の基板を格安で作ってくれるので気に入っていたのですが、やはりこういうことがあると残念でなりません。
今回は割引期間に注文しているので、仮に製造をほっぽり出されても痛くはない金額ではありますが、今後の対応が悪ければ、ほかの業者に切り替えることも考えなければなりません。

2017年2月1日水曜日

イベントが終わって きぐファン2データ公開

初めて自前のサークルを出した新春けもけっと、無事おわりました。
お蔭様できぐファンは完売いたいしました。ご購入いただきましてありがとうございました。
また、ブースに遊びに来ていただきましてありがとうございました!3Dプリントしたフィギュアに興味を持ってくれた方もいて嬉しかった…!


初めての自前サークル参加だったのと、需要がどうあるのか不明瞭だったこともあって、きぐファン2の製造台数を極端に絞って販売する予定でいました。
が、実際には予想に反して、「今回の製造分、需要に対して少なすぎ…」ってくらいの大きな反響をいただいて。 いやー本当にびっくりしました。
お一人で複数台ご希望の方もいらっしゃいましたが、やむなく一人一セットという販売数制限を設けさせていただきました…。ご希望に添えずすみません。

 次はもう少し多めに製造して持っていきます。



■きぐファン2の製造資料

3Dプリントできる部品のSTLファイル、回路図面のPDF、部品リストと、販売時に添付したマニュアルをDropboxにアップロードしましたので、修理や改造などで必要な方はご活用ください。
ダウンロードはこちら




■写真とか



















■これからについて

ケーブルの長さ調整やメンテナンスがしにくいのに製造コストが割とかかるのと、
ブラケットが硬いプラスチックでなくてもいいな~って思ってるので、その辺を新しくしつつ、
5月のイベントに向けて、現行バージョンのきぐファン2と、新しい構想のきぐファン3を作ってみようと思います。




さて、12月に試作してたBluetoothキーボードの基板を発注かけたので、しばらくはきぐるみ製作のほうに時間を割こうかな。基板の業者さん旧正月でお休みだしね。

2017年1月9日月曜日

きぐファン2 販売について

一か月ぶりの更新となります。
きぐファン2の製造、今のところは順調に進んでいます。
 
さて、そろそろ販売開始が近くなってきたので、販売場所と価格の話をば。

■販売場所について

回路とメカの塊ではありますが、きぐるみ関連グッズとして作っていますので
イベント名:新春けもけっと3
開催場所:埼玉県川口市川口1-1-1 キュポ・ラ本館棟4
販売ブース:F-05
(※詳しくはこちらをご覧ください)

■販売価格

ファンユニット2個(専用ブラケット付き)+専用電源ケーブルのセットで
3500円での販売を予定しています。

置く個数は両手で数えて指が余るくらいしか置かない予定です。




これだけだとブースが寂しいので、何か出せるものがあったら持っていきます。
こんな感じで。

2016年12月12日月曜日

Bluetooth カスタムキーボードを作ろう ~構想編~

きぐふぁん2の製造は順調に進んでいます。
アメリカから取り寄せたファンが、想像以上にスペックが高くて満足な品物だったので、こいつに変更でターンエンド。
前に買ったファンが余剰分で赤字になるので、次のターン(1月)は墓地に強制送還が確定しています。







さて、タイトルから「共晶ハンダもGクリヤも固まらねえうちにテメェは一体何をやってんだ!!」と自分に疑問を投げかけている身ではありますが、これが平常運転と割り切って、次に進みます。


僕が設計とかモデリングしているときは、デスクの奥側にキーボードを押しやって、手前にペンタブを持ってくる配置でやっています。
まぁ、ズボラというかなんというか、ペンタブを弄ってるところからなるべく手を動かしたくない、ペンを持ち替えたくないという感情が湧くわけです。
アプリケーションごとにショートカットを登録して、左手で使える小さなカスタムキーボードがあったらいいなGoogle先生ということで探してみると、「Trickey」という、手軽にカスタムできちゃうキーボードがあって、すでに製品化されていました。東京大学発。必要なキーだけを装備するカスタムキーボードのTrickeyがKickstarterキャンペーン中(TechCrunchの記事)


写真を見る限りでは、本体側のシステムモジュールと、EEPROMか何かのROMが内蔵されたキースイッチモジュールとに構成されているように思われます。
それほど難しい技術が使われているようにも感じられないので、似たようなもので自作は可能なんじゃないかなと判断しました。

ただ、個人がここまで手の込んだものを作るのはさすがに敷居が高いので、配置が固定の拡張キー基板を一つの部品として、それをマイコンを積んだメインのモジュールに差して使うという構成なら、できなくなさそうです。
制御用のマイコンにADCがあれば、キースイッチのほかにもスライドパッドのようなアナログ値を扱うものも乗っけられるので、応用の範囲が広がります。

さらに、Bluetoothキーボードとすれば、Bluetoothが乗っているモノならどんなものでもつながります。PC/Macはもとより、Raspberry Piだっていけます。専用ドライバがいらないので、ユーザーの負担も開発者の負担も減ります。何より無線はカッコイイのです。
VolumioをPCやスマホから操作するのもいい加減ダルくなってきました。赤外線じゃないちょっとかっこいいリモコンが作れるかもしれません。


今決まっていること

・Bluetoothカスタムキーボードを作る
・NiMH電池内蔵式、USB充電対応。古くなったNiMH電池は交換可能
・キー部分が着脱可能、スライドパッドも可。
・PCからキーマップの設定が可能
・キー部分が名刺サイズに収まること

こんな感じでしょうか。1月いっぱいまできぐふぁん2の製造があるので、動き出すとしたら2月以降になりそうです。

2016年12月4日日曜日

きぐふぁんの構成図面

きぐふぁん2の図面

外見



上から 吸気側

斜め上から

横から

斜め下 排気側

構成







2016年11月30日水曜日

Raspberry PiのGPIOヘッダ交換

ラズパイ単体で何かしようとするときにGPIO端子がピンヘッダであることに不便に感じていたので、ピンヘッダを引っこ抜いてソケットに交換してみました。
ピンヘッダは出てるものの、そこから線を引っ張ってくる方法っていうのが面倒に感じていたので、ブレッドボードなんかの配線が直接挿せるようにしてみました。
隣にブレッドボードを配置すれば簡単に回路が組めて便利かな~という簡単な考えです。

まずはB+ではお試し。う~む、悪くない。


しかしながら、シングルコアでいろいろさせるには、テスト環境として少々不安が残ります。
後先考えずにコネクタ引っこ抜きまくってるのも要因ではありますが…。

ともかく、ピンヘッダが簡単に引っこ抜けることが分かったので、引き続きRaspberry Pi 2にも同じ処置を施します。ネットワークオーディオを作った時の固定板をもう一回出力して、今度はブレッドボードを貼り付けます。
すると、ちょっとしたものを作りたいorテストしたいときに重宝しそうなボードキットが完成。



これは便利かもしれない。が、気づくの遅すぎた…